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== 最大角,最小角 ==■ 次の図のように,△ABCにおいて,
a≦b≦cならばA≦B≦Cです.
つまり,(逆も成り立ちます.) 「対辺が長い」ならば「角度が大きい」 (「角度が大きい」ならば「対辺が長い」) といえます.・・・(1) |
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(証明) 余弦定理による証明・・・論理は簡単,変形はやや複雑
(方針) a≦b←→cos A≧cos B←→A≦Bを示す.
※分子は,a, bについて3次,cについて2次
→cについて整理する ここで,a, b, c>0だからc+a+b>0 また,三角形の成立条件によりc<a+bだからc−a−b<0 ゆえに, a≦b←→cos A≧cos B←→A≦Bが成り立つ. |
(証明) 正弦定理による証明・・・論理は複雑,変形は少ない
「A≦B⇔a≦b」は,次の図を用いて示せる. ア)A1≦B1≦90°のとき,正弦定理により a=2Rsin A1 b=2Rsin B1 だからa≦b イ) A2<90°<B2のとき,右図の○のときに,A2+B2=180°になって三角形ができないから,A2は○よりも小さな角度でなければならない.このとき, sin A2≦sin B2となるから,ア)の場合と同様に正弦定理を用いて,a≦bが示せる. 同様にして「B≦C⇔b≦c」も示せる. |
■ △ABCにおいてA, B, Cのうち最も大ききな角度を最大角,最も小さな角を最小角と呼ぶと,右の図においては最大角はAで最小角はCです.
(1)の関係から,最大角,最小角とその対辺の長さについて次のように言えます.
三角形において,
最大角には最大辺が対応する. 最小角には最小辺が対応する. |
≪例≫
(答案)三角形の3辺の長さが7, 8, 13のとき,この三角形の最大角を求めなさい. 辺の長さ13が最も長いから,13に対応する角を求める. ・・・(答) |
《問題1》 三角形の3辺の長さが,次のように与えられているとき,この三角形の最大角を求めなさい.
右の選択肢の中から正しいと思うものをクリックしてください.選択肢をクリックすれば,採点結果と解説が出ます.見ているだけでは解説は出ません.
(1)
解答を見る17, 15, 8 |
30°,45°,60°,90° 120°,135°,150°,上記以外 |
(2)
解答を見る5, 16, 19 |
30°,45°,60°,90° 120°,135°,150°,上記以外 |
(3)
解答を見る35, 43, 13 |
30°,45°,60°,90° 120°,135°,150°,上記以外 |
(4)
解答を見る |
30°,45°,60°,90° 120°,135°,150°,上記以外 |
《問題2》 三角形の3辺の長さが,次のように与えられているとき,この三角形の最小角を求めなさい.
右の選択肢の中から正しいと思うものをクリックしてください.選択肢をクリックすれば,採点結果と解説が出ます.見ているだけでは解説は出ません.
(1)
解答を見る |
30°,45°,60°,90° 120°,135°,150°,上記以外 |
(2)
解答を見る |
30°,45°,60°,90° 120°,135°,150°,上記以外 |
《解説》 筆算で角度まで求められるのは,30°または45°の整数倍の角度に限られますが,cos θの値まででよいときはそのような制限はなくなります.
≪例≫
(答案)
三角形の3辺の長さが,次のように与えられているとき,この三角形について最大角の余弦を求めなさい. a=9, b=8, c=7 aが最大なので,角Aが最大 ・・・(答) |
《問題3》 以下の問題は,採点方式にしていませんので,各自で解いて答え合わせを行ってください. 1
△ABCにおいて,sin A:sin B:sib C=5:6:7とする.最大角をθとするとき,cosθ=[ ]である.
解答を見る(日本工大入試問題からの引用)
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2
解答を見る三角形の3つの高さを各々4, 9, 6とするとき,最小角の余弦を求めよ.
三辺の長さをa, b, cとおき,各々に対する高さをh1, h2, h3とおいて,面積Sを3通りに表すと辺の長さの比が分かる。
だから したがって a:b:c=9:4:6 bが最小だからBが最小角になる a=9k, b=4k, c=6k (k>0)とおけるから ・・・(答) |
3
解答を見る△ABCの3辺がBC=x2−x+1, CA=x2−2x, AB=2x−1で表されている. (1) 3つの辺の大小関係を調べよ. (2) △ABCの最大の内角はいくらか. (静岡大入試問題からの一部引用)
(1)
(参考)
三角形の成立条件より三角形の成立条件は,a,b,c>0・・・(1)(2)(3) a+b>c, b+c>a, c+a>b・・・(4)(5)(6) であるが,(4)(5)(6)が成り立てば(1)(2)(3)も成り立つから,「三角形の成立条件は(4)(5)(6)」としてよい (x2−x+1)+(x2−2x)>(2x−1)・・・(*1) (x2−2x)+(2x−1)>(x2−x+1)・・・(*2) (2x−1)+(x2−x+1)>(x2−2x)・・・(*3) (*1)からx2−5x+2>0⇔ (*2)からx>2 (*3)からx>0
以上の共通部分から,x>2
次に,x>2の範囲で,x2−x+1, x2−2x, 2x−1の大小関係を調べる
(x2−x+1)−(x2−2x)=x+1 (>0)だから
(2)(x2−x+1)>(x2−2x)
(x2−x+1)−(2x−1)=x2−3x+2=(x−1)(x−2) (>0)だから(x2−x+1)>(2x−1)
ここまでから,x2−x+1が最大であることが分かる.残り2つの大小関係を調べる. (x2−2x)−(2x−1)<0となるxの値の範囲を求めると x2−4x+1<0⇔ x>2の範囲で検討しているから, よって, ア) のとき (x2−2x)<(2x−1)<(x2−x+1)
イ) のとき(2x−1)≦(x2−2x)<(x2−x+1)
BC=x2−x+1が最大であるから,角Aが最大 この式の分子を展開してから,因数分解すると よって, A=120°・・・(答) |
4
解答を見る3辺の長さがx2+2x+4, x2−4, 4x+4である三角形の最大角を求めよ. (桃山学院大学入試問題からの一部引用)
a=x2+2x+4 , b=x2−4 , c=4x+4とおく
はじめに三角形の成立条件からxの取りうる値の範囲を求める a+b>c , b+c>a , c+a>bから
(x2+2x+4)+(x2−4)>(4x+4)を解くと
このときx<−1, 2<x
(x2−4)+(4x+4)>(x2+2x+4)を解くとx>2
(4x+4)+(x2+2x+4)>(x2−4)を解くとx>−2
これらの共通部分から,x>2…(1)
a−b=x2+2x+4−(x2−4)=2x+8>0 a−c=x2+2x+4−(4x+4)=x2−2x=x(x−2)>0 だからa>b, a>c ⇒ a=x2+2x+4が最大辺になる…(2) 分母分子を展開してから因数分解する ⇒ A=120°・・・(答) |
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