内接円の半径
【単元の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,内接円の半径のマイナーチェンジありのカバー版です.
♫♣ 元の教材が通信トラブルなどで読めないときに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
== 内接円の半径 ==
《解説
■三角形の内接円の半径の大きさは,面積と関係付けることができます.
 
 三角形の内接円の半径をrとおく.
 三角形を右図のように3つに分けると,
と表せることが分かります.
 さらに, とおくと
S=rs
となります.

■三角形の面積は,いろんな求め方があります.そこで,ヘロンの公式などを用いて三角形の面積を求めておくと,内接円の半径が求まります.

【ヘロンの公式】
三辺の長さがa , b , cである三角形の面積Sを求めるには
まず,を求めておき
次に, …(1)
とします。
(1)は …(2)
と書くこともできますが、教科書では通常(1)の形で書かれています.
(1)式を公式として,覚えて使います.


ヘロンの公式で求めた面積は,
他の方法で求めた面積と等しいはずだ
ということを使います.
【雑談】 小文字のsは何を表すか?
• 小文字のsは「半周長」(semiperimeter)のsを表すとされている・・・perimeterは「周の長さ」,semiは「半分」「準」を表す接頭辞:セミロング(ロングよりやや短い髪形),セミファイナル(準決勝),セミプロ(準専門の).
 時々「小文字のsは何を表すのか?」とこだわる生徒がいるが,授業では,とおくと,"式全体が簡単になる"ということで済ませることが多い.(明確な目的もなしに話すよりは,"式が簡単になるから使う"で済ませるのが一つの知恵だと思う.あえて,余談に踏む込むとすれば「半分」ということを印象付けるためのエピソードとして,10分程度に収まる話がよいと思う.)
• 参考までに,「プラーグマグプタの公式」というのがあって,円に内接する四辺形の4辺の長さをa, b, c, d,半周長をとおくと,この四辺形の面積はに等しいことが証明できる.
(高校生が覚えている必要はないが,高校の数学で証明できる)
この公式においても,小文字のsは半周長になっている.
≪例≫
 三角形の3辺の長さが,それぞれ13,14,15のとき,内接円の半径を求めなさい.
(答案)

 ヘロンの公式により,
他方,S=21r
ゆえに,r=4・・・(答)
《問題1》
三角形の3辺の長さが次のように与えられているとき,この三角形の内接円の半径を求めなさい.
下の選択肢の中から正しいと思うものをクリックしてください.選択肢を選べば採点結果と解説が読めます.見ているだけでは解説は出ません.
(1)
3, 4, 5
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10

(2)
9, 10, 17
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10

(3)
11, 13, 20
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10

(4)
15, 26, 37
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10

《問題2》
次の三角形の内接円の半径を求めなさい.
下の選択肢の中から正しいと思うものをクリックしてください.選択肢を選べば採点結果と解説が読めます.見ているだけでは解説は出ません.
(1)
a=8, b=3, C=60°

(2)
b=15, c=7, A=60°

(3)
c=3, a=5, B=120°

(4)
a=5, b=16, C=120°

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