正弦定理,余弦定理(筆算で解く問題)
【単元の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,筆算だけで解く問題(2)のマイナーチェンジありのカバー版です.
♫♣ 元の教材が通信トラブルなどで読めないときに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
== 正弦定理,余弦定理--筆算で解く問題(2) ==

三角形の辺と角の名前の付け方
 右図のような△ABCがあるとき
(1) 頂点の名前A, B, Cを使ってその内角の大きさを表す.
 例えば,角AとはCABのことを表す.
(2) 各頂点の対辺の長さを対応する小文字で表す.
 例えば,角Aの対辺の長さをBC=aとする.

正弦定理
△ABCの外接円の半径をRとするとき

が成り立つ.
正弦定理を使って三角形の辺や角を求める方法
(1) 辺の長さと角の大きさが1組分かっていれば,外接円の半径が求められる.
 例えば,Aaが分かっていれば,外接円の半径Rが求められる.
(2) a, A, Bのように1組の辺角(a, A)と他の1つの角(B)が分かっていれば,辺bが求められる.

(3) a, A, bのように1組の辺角(a, A)と他の1つの辺(b)が分かっていれば,角Bが求められる.

※(3)では一般に角度が2つ求まる可能性があるが,Aと足すと180°以上になる角Bは解にならない.(Cが負になって三角形が描けない)
次のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(Bを攻める)
abc
ABC

角が2つ求まると3つ目はただ同然(中学の数学):C=180°−(A+B)は「ただ」で手に入る
abc
ABC

上下1組がそろったa, Ab, Bでもよい)と角Cを使って辺cを攻める
 結局,3つの辺と3つの角が全部分かる.[陣取りゲーム完了!]

【例題1】
 ABCにおいて,a=6, A=120°のとき,外接円の半径Rを求めてください.
上下1組(辺と角)がそろっていれば」外接円の半径Rが求まる.



・・・(答)

【問題1-1】
 ABCにおいて,b=8, B=45°のとき,外接円の半径Rを求めてください.
[解答を見る]
【問題1-2】
 ABCにおいて,a=3, B=70°, C=80°のとき,外接円の半径Rを求めてください.
[解答を見る]

【例題2】
 △ABCにおいて,a=4, A=45°, B=60°のとき,bを求めてください.
abc
ABC
次のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(bが求まる)

・・・(答)

【問題2-1】
 ABCにおいて,a=6, A=135°, C=30°のとき,cを求めてください.
[解答を見る]
【問題2-2】
 ABCにおいて,b=3, B=60°, C=75°のとき,aを求めてください.
[解答を見る]

【例題3】
 △ABCにおいて,, b=1, A=60°のとき,Bを求めてください.
abc
ABC
次のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(Bが求まる)


B=30°, 150°
B=150°のとき,A+B>180°となって不適当
B=30°・・・(答)

【問題3-1】
 ABCにおいて,, c=2, C=45°のとき,Aを求めてください.
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【問題3-2】
 ABCにおいて,a=2, , B=30°のとき,Aを求めてください.
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余弦定理
・・・(1.1)
・・・(1.2)
・・・(1.3)
が成り立つ.
また,上記の式を変形すると,次の形に書ける.
・・・(2.1)
・・・(2.2)
・・・(2.3)
余弦定理を使って三角形の辺や角を求める方法
(1) 2辺とその間の角(例えば,b, cA)が分かれば,aの長さが求まる.⇒(1.1)など
次のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていないとき」余弦定理を考える
abc
ABC
b, c, Aa
(2) 3辺の長さが分かれば,角度も求まる.⇒(2.1)など
次のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていない」かつ「角度が1つも書いてない」とき「余弦定理の変形型」を考える
abc
ABC
a, b, cA
(3) 例えば,2辺とその間の角(例えば,a, cA)が分かっているとき,bの長さが求まる.⇒(1.1)をbの2次方程式として解く
・・・(3.1)
【例題4】
 △ABCにおいて,b=5, c=4, A=60°のとき,aを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていないとき」余弦定理を考える


・・・(答)

【問題4-1】
 ABCにおいて,a=3, c=4, B=120°のとき,bを求めてください.
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【問題4-2】
 ABCにおいて,a=2, , C=150°のとき,cを求めてください.
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【例題5】
 △ABCにおいて,a=2, , のとき,Aを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていない」かつ「角度が1つも書いてない」とき「余弦定理の変形型」を考える



A=45°・・・(答)

【問題5-1】
 △ABCにおいて,a=7, b=13, c=8のとき,Bを求めてください.
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【問題5-2】
 △ABCにおいて,a=1, , のとき,Cを求めてください.
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【例題6】
 △ABCにおいて,, b=2, のとき,Cを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組もそろっていない」かつ「角度が1つも書いてない」とき「余弦定理の変形型」を考える
 ここまでは「基本」であるが,数学Ⅰの筆算の範囲(定期試験や大学入試でコンピュータ,数表持ち込みが許可されていない場合)では,通常15°, 75°, 105°などの三角比は覚えない.
• 数学Ⅱで,加法定理や半角公式を習うと


を求めることができるが,「この値を覚えていること」までは通常要求されない.
• コンピュータを使える場合は,sin75°=0.9659, cos75°=0.2588などが使えるが,これらは近似値である.
 そこで,15°,75°,105°などの三角比が登場するときは,他の2つの角の値から「迂回して」
C=180°−(A+B)
により求めることを考える.


※これ以上は進めないので保留にする


A=30°


B=45°
C=180°−(A+B)=180°−75°=105°・・・(答)

【問題6-1】
 △ABCにおいて,, b=2, のとき,Aを求めてください.
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【問題6-2】
 △ABCにおいて,, , c=2のとき,Bを求めてください.
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【例題7】
 △ABCにおいて,a=2, , A=45°のとき,bを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(Cが求まる)というのが正弦定理の使い方の基本であるが,問題で求めたいものがCではなくてbである場合
 (3.1)で述べたように,角Aを使った余弦定理をbの2次方程式として解くことができる




・・・(答)
右図のように2つの図形が描けるので,2つとも解になる

【問題7-1】
 △ABCにおいて,a=2, , B=30°のとき,cを求めてください.
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【問題7-2】
 △ABCにおいて,b=6, , B=135°のとき,aを求めてください.
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【例題8】
 △ABCにおいて,a=4, A=75°, B=45°のとき,bを求めてください.
abc
ABC
 右のような作戦盤を書いて,「上下1組がそろっていれば」正弦定理が使える(bが求まる)というのが正弦定理の使い方の基本であるが,A=75°は使いにくい(少なくとも数学Ⅰでは覚えない)
 b, cを未知数として連立方程式を解いてもよい.
A+B+C=180°だからC=60°
正弦定理を用いると


・・・(#1)
Cを使った余弦定理を用いると


・・・(#2)
(#1)を(#2)に代入する




・・・(答)

【問題8-1】
 △ABCにおいて,, B=45°, C=105°のとき,aを求めてください.
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【問題8-2】
 △ABCにおいて,a=2, A=15°, B=30°のとき,bを求めてください.
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